有機野菜って無農薬野菜とは違うの?意外と知らない有機野菜の定義

有機野菜というと無農薬でなんとなく体にいいもの、このように思っている方はおそらく少なくないのではないかと思います。有機野菜イコール無農薬野菜であると思っている方もいらっしゃることでしょう。 実は有機野菜と無農薬野菜という2つの野菜は、厳密には異なる存在です。

無農薬野菜は文字通り無農薬、すなわち農薬を一切使わずに育てられた野菜を指します。少々余談ですが、無農薬野菜のニーズ増加によって実際には農薬を使っているのに無農薬と謳うものが増えてしまった結果、現在では「無農薬」という文言は使えなくなっているというのは知識として持っておいてもよいでしょう。

ちなみに本当に農薬を使わずに育てられた野菜たちは「特別栽培農産物」と呼ばれるので、農薬を使っていないものを購入したいのであればそのような文言を探すのがおすすめです。

さて本題である有機野菜とはなにかというと、ずばり、有機JAS規格という条件を満たした野菜を指します。有機JAS規格は農林水産省が定めたものであり、育てる前から厳しい規定があるのです。と、いうのも有機野菜を育てるためには、育て始める2年以上、多年生のものならば3年以上禁止された農薬や化学肥料を使っていない畑や土を用意する必要があります。もちろん、栽培中もそれらの農薬や化学肥料を使ってはいけません。当然遺伝子組み換えもおこなってはいけないのです。

これだけ聞くと農林水産省が定めているという以外で無農薬野菜と違いはないのではと思ってしまうかもしれません。しかし有機野菜の場合、「禁止された」農薬や化学肥料を使ってはいけないだけで、JASが認定している31種類の農薬ならば使っても問題ないことになっているのです。なので厳密には無農薬ではない有機野菜も存在する、ということになるわけですね。

このような少々曖昧ともいえる定義から、完全に農薬を使わずに自然に栽培されている野菜もあれば、使ってもいい農薬ならば問題ないと考えて育てられた野菜もあるなど、意外と有機野菜と呼ばれる野菜は多岐にわたってしまっています。 せっかく有機野菜を食べるのであれば生産者の情報などを調べてみたりして、農薬の有無を確認してみるのはいかがでしょうか!?